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歯周炎の病因について

前回までで歯肉炎を治療せずに放置しておくと、歯周炎に移行することがあると説明しました。

歯周炎は基本的には4mm以上の歯周ポケット(歯と歯肉の境目の溝)がある歯のことを指します。平成 28 年度の歯科疾患実態調査(5年に1度行われる日本の歯科に関する調査統計)によると,4 mm以上の歯周ポケット(3mmまでは出血の有無に関わらず健全な溝の深さです)がある割合は年齢と共に増加し,45~49 歳でおよそ 50%、65~74 歳ではおよそ57%となっています。中でも高齢者では4 mm以上の歯周ポケットがある割合の増加が顕著です。

歯周炎とはどんなものなのでしょうか?

歯周炎の病因(なぜ起きるのか?)は皆様にも理解していただきたいことです。歯肉炎のように歯周炎もプラーク(歯垢)中の細菌が原因であることは明らかになっていますが、歯肉炎がすべて歯周炎に移行するわけではなく、歯周炎がすべて歯の喪失につながるわけでもありません。歯肉炎の発症は、細菌に対する「制御された」免疫反応として考えることができます。しかし、人によっては、生まれつきの歯周病に対する感受性や後天的な環境因子、あるいはその両方により、軟組織や歯槽骨の喪失による歯周炎の発症が見られることがあります。

過去30年の間に、歯周病原細菌と患者自身の免疫防御システムとの相互作用によって歯周炎は生じることが示されました(Socransky, 1998)。現在では、多くの人が歯周炎の進行を伴わずに歯周病原細菌を保有していることが認識されています。(Cullinan, 2003) このことから、ほとんどの人は、たいていは細菌と免疫反応のバランスがとれており、このバランスが崩れたときにのみ、歯周炎が発生すると考えられています。このバランスの乱れは、環境の影響による日和見的な細菌数の増加や、患者の免疫の低下、あるいはその両方によって生じる可能性があります。歯周炎の発現と進行は、細菌、患者の免疫系、環境要因の相互作用を反映しており、歯周病原細菌に対するそれらの反応に起因しているのです。

このような観点から、歯周病の主因はプラーク中の歯周病原細菌と患者自身の免疫反応の感受性ということができます。それに加えて様々なものが修飾因子として歯周炎の進行を加速させますが、そちらはまた別途ご説明します。

歯周炎は不可逆な炎症性疾患です。自然治癒することはありませんので予防も含めお早めに歯科医院受診をしましょう。

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