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歯周病と全身疾患 -糖尿病について-

これまでの投稿で、歯周炎は炎症性の疾患であることを説明しました。また初回の歯の解剖の際に、血管が行き来していることを説明しましたが、歯の内部(歯髄)と外部(歯周組織:歯肉など)に血管が入り込んでおり、口腔内への酸素や栄養の供給ルートとなっております。それらの血管は全身の血管に通じており、その事実が全身の疾患との繋がりに影響していることがこれまでの過去の幾多の研究でわかっております。

具体的には、糖尿病(Sanz, 2018)、心血管疾患(CVDs, CardioVascular diseases; Del Castillo, 2020)、呼吸器疾患、口腔がんなどのさまざまな全身疾患と関連しています。 日本の三大死因は悪性新生物(がん) CVDs、肺炎(厚生労働省調べ)となっており、ひいては歯周病が死因に繋がりかねないものとなってしまいます。

今回は歯周病と糖尿病との関連について説明します。上記全身疾患の中で最も歯周病と関連が強い病気です!

糖尿病は世界の有病率は9.3%(4億6300万人)と推定され、2030年には10.2%(5億7800万人)、2045年には10.9%(7億人)に上昇すると予測されています(Saeedi, 2019)。日本では糖尿病有病者は1000万人以上と言われています。特に高齢者に多い2型糖尿病は、インスリンという血糖値を下げるホルモンがうまく働かなくなり、慢性的な高血糖になることで全身の代謝の異常が起きてしまうことが病態で、血管や腎臓の合併症による障害や早期死亡の主な原因となっています。

歯周炎→糖尿病方向、糖尿病→歯周病の双方向で関連性が明確に強いとされています。

糖尿病-歯周炎方向では、古典的な研究ではアメリカアリゾナ州の先住民ピマ・インディアンの1300名を観察した研究が有名で、彼らは2型糖尿病を民族的に高頻度に発症することが知られています。そのグループの観察をしたところ、糖尿病患者は歯周炎の発症リスクが約3倍と言われています。(Emrich, 1991)

逆に歯周炎-糖尿病方向では、歯周ポケットが深く6mm以上ある患者では糖尿病を発症するリスクが3.45倍という研究報告があります。(Morita, 2012)

そしてなんと歯周病の治療をすることで、糖尿病のコントロール指標であるHbA1cが0.3%減少すると、科学的根拠の最も高いコクランレビューという研究では発表されています。(Simpson, 2015) 治療後12ヶ月でHbA1Cが最大0.6%減少することも示されています。(D’Aiuto, 2018)

糖尿病患者では、インプラント周囲炎というインプラント版の歯周炎のリスクが高まることも言われています。以上のように医科、歯科双方でこの関係性に着目することが大事で、患者様の皆様もこのことを是非念頭におき、双方のケアをしていただけますと幸いです。隠れ糖尿病予備軍もいると言われているので、歯周病で通院している皆様は念の為糖尿病の検査をしてもらうこともおすすめいたします。まずは歯科医院で歯周病の検査をしっかりしてもらいましょう!

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