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虫歯の防御因子その2

前回から虫歯に対する防御因子をテーマにお話しさせていただいています。主には、だ液、フッ素、抗菌剤やキシリトールというものがあります。今回はフッ化物(フッ素)についてお話ししていきたいと思います。

防御因子2: フッ化物(フッ素)

これは虫歯の予防に1番大事だといっても過言ではものです。3つのメカニズムがあります。(Featherstone 2006)

1つ目は細菌の代謝で、虫歯の原因菌の代謝を阻害します。フッ素というのはフッ素イオンとして存在することが多いのですがお口の中では水素イオンと結合してフッ化水素という物質になりそれが細菌の代謝を阻害します。

2つ目の働きとしては脱灰の抑制です。前回、歯の最外層であるハイドロキシアパタイトという結晶構造はカルシウムとリン酸のイオンから主になっていることを説明しました。口の中にフッ素イオンが存在すると、それが歯の中に取り込まれてそのハイドロキシアパタイトという結晶構造の代わりにフルオロアパタイトという結晶構造を作り出します。

それが脱灰を抑制してくれて虫歯に対してかなり強く防御機構が働いてくれる構造になるのです。

3つ目は再石灰化の促進で、再石灰化というのはカルシウムイオンとリン酸イオンがだ液中から歯に押し戻されてハイドロキシアパタイトの構造に戻っていくことを再石灰化、と説明しましたが

その促進をしてくれるのがフッ化物の働きの3つ目になります

実際の使い方ですがアメリカのガイドラインに則りますと、1.1%のフッ化ナトリウムの歯磨き粉を1日2回使ってあげると虫歯に効果的です。

具体的には、おちょこ1杯分くらいの本当に少量のお水で1回だけ30秒間ぐらいのブクブクうがいをしっかり行っていただきたいです。

お水を出した後はなるべく30分間飲食を控えていただくというのを是非実践してください。理由は、たくさんのお水でうがいをしてしまうと口の中でせっかく溜めたフッ素が流れ出てしまうからです。

同じように飲食を30分間以内にしてしまうことで口の中に溜めたフッ素の濃度も下がってしまい、効果的な虫歯の予防につながりません。

少量1回うがいと30分間の飲食を控えるというのは皆様が誤解しがちなポイントなので必ず念頭に置いて使ってみてください!

次回は3つ目の防御因子、抗菌剤やキシリトールなどの補助剤についてお話しします!

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