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歯肉退縮って何?その1

今回から少し内容を変えまして歯肉退縮について何回かお話をさせていただきたいと思います。歯肉退縮というのは一般的に言うと歯ぐきが下がってしまう病気のことです。

通常は歯というのは歯肉でしっかり覆われているんですが色々なリスクなどによって歯根の部分が露出してしまうというのが歯肉退縮の病態になります。

具体的には歯冠というのはエナメル質で覆われているんですが歯根はセメント質という部分が一番最外層にきています。このセメント質の露出、もしくはその中の象牙質の露出というのがこの歯肉退縮の状態になります。割合としてどのくらいの割合で歯肉退縮があるのかという研究があるんですが、アメリカの全国の統計調査1999年の結果によりますと30歳から90歳の患者さんの58%、半分以上が歯肉退縮を患っているというデータです。

日本のデータを見てみると埴岡先生の1994年の研究で、こちらは一部の地域の調査になるんですが、76%が歯肉退縮があったということでこの割合からすると日本の方が歯肉退縮の割合が多いというのが少し伺えるかなというふうに思います。

歯肉退縮の症状としては主に4つあります。

1:審美障害

具体的に言うと笑った時に歯茎が見えてしまうような方(一般的に言うガミースマイル)は

2023年のBrazの研究によると13%の割合でガミースマイルの方々がいるという研究もあるんですが、このような歯肉が見えてしまうような方でかつ歯肉が退縮してしまっている方は、歯が長く見えてしまうということで審美障害を訴える方もいます。

2:知覚過敏

歯根面が露出してしまうと先程言いましたセメント質が一番最外層を覆っているんですが、一旦露出してしまうとセメント質というのは簡単に剥がれ落ちやすいです。剥がれ落ちるとその内部の象牙質という部分が露出してしまいます。象牙質が露出すると神経に近い部分が露出することになるので

知覚過敏症というのが生じてくることになります。具体的には、冷たい空気とかお水がしみるようになったりアイスで歯がしみたり、その症状が強い方というのがこの知覚過敏に当てはまります。2014年の福本先生の研究によると歯肉退縮を患っている方というのは知覚過敏が起きるリスクが10倍というふうに言われているのでかなり強いリスクファクターに歯肉退縮が知覚過敏に対してなります。

次回は残りの2つの症状について深掘りしていきます。

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