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歯ブラシの方法について その1

皆さんは歯ブラシはどのような方法でしていますか?

歯ブラシの方法には大きく分けて、水平方向のブラッシング、垂直方向のブラッシング [Leonard (1939) ] 、環状方向のブラッシング[Fones (1934) ]があります。

日本では”スクラビング法”が一般的かと思います。このスクラビング法は実はアメリカの大学ではほぼ教えられておらず、バス法、またはバス変法(Modified Bass)が歯学部教育で教えられています。アメリカの歯科学生に聞くと人によってはスクラビング法というと何それ?と聞き返されることもあります。

スクラビング法でもバス変法でも大事なことは歯ブラシを動かす前に歯肉の溝に歯ブラシの毛先を入れてあげることです。主な違いは歯の面に対する毛先の角度で、スクラビング法は歯の頬側は90度、舌側は45度に向けて当てて小刻みに10〜20回ほど水平方向に「細かく」振動させます

一方バス法[Charles C. Bass (1948) ] は歯の頬側、舌側ともに、毛先を歯の面に対して約45°の角度で向け、水平に動かします。このブラッシング方法で、歯垢除去は歯肉溝約1mmの深さにまで達することが示されています(Waerhaug 1981)。バス変法は水平方向に動かした後、ブラシヘッドを咬む面の方向に転がす方法を組み合わせたもので、アメリカでは主にこの方法が用いられています。

しかし重要なことは、すべての患者さんに正しい口腔衛生法は一つではないということです。歯列の形態(叢生、歯の間隔、歯肉の厚みなど)、歯周組織破壊の程度、患者さん自身の手先の器用さなどによって、どのような清掃法を推奨すべきかが決定されます。

科学的根拠が一番高いとされるシステマティックレビュー(過去の質の高い臨床研究を統合解析する研究)でも、研究間での方法や結果にバラツキが大きく(バス法、バス変法、スクラビング法など)、プラークの除去や歯肉炎の減少にどのブラッシング法が有効かという根拠は不足していると結論づけられています。(Rajwani 2020)

2020年に行われた18-30歳の被験者120名対象の臨床研究でも、日常のブラッシング法とバス変法、フォーンズ法(ブラシを環状にくるくる動かす方法)を比較し、1週間後のプラークスコアはバス変法が有意に低下していましたが、1ヶ月後では3群間で有意差はなしでした。(Janakiram 2020) しかしやはりバス変法はプラーク除去後ヘッドを回転させることでプラークの除去効率の上昇に寄与するのではと考えており個人的にはおすすめです。(先にも述べたように科学的根拠は弱いです)どの方法でも大事なことは歯周病の見地から汚れが溜まるとされる歯肉の溝に毛先を入れて振動させ掃除してあげることです。

皆さんも是非バス変法かスクラビング法で磨いてみてください。次回は磨く順番、注意すべき部位、歯ブラシの圧力や毛先の硬さ、交換時期などさらに深掘りしてお話しします。

バス変法:45度の角度で歯肉の溝にあて水平に動かし、その後咬む面の方向にブラシを回転させ全体の面を磨く。

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