今回と次回は日米間で比較したおすすめの口腔ケアグッズについて、根拠に基づいてお話しします。主には歯ブラシ 歯間ブラシ フロスを除く歯磨き粉やうがい薬についてご紹介させていただきたいと思います。歯ブラシと歯間ブラシとフロスについてはいろいろなブランドのものが売られてはいるのですがそこまで大きな違いは実はありません。
ただこれからお話しさせていただく歯磨き粉やうがい薬については入っている成分に応じて使い道などが変わってくるところもありますのでその辺を皆様にはぜひこれから注意して成分などを見ていただきたいです。
歯磨き粉の構成要素のポイントとして、虫歯予防としてのフッ素と知覚過敏とホワイトニング効果についての観点からお話しをしたいと思います。フッ素は今までもお話ししているんですが基本的には歯磨き粉はフッ素が入っているものを使用した方がいいです。これはアメリカ歯科学会(ADA)の公式見解でもはっきりと言われており、アメリカでは市場に出回っている歯磨き粉の中でADAから認可を受けている歯磨き粉については必ずラベルが箱の表面に記載されており、フッ素が入っているものしかアメリカ歯科学会は認可をしないというルールになっています。
それだけフッ素という成分が歯磨き粉の中に入っているのがすごく大事だということです。今後フッ素の濃度をいろいろ紹介しますが、ppmというのがフッ素の濃度で100万分の1の単位の濃度の表示になります。このフッ素の濃度が当然高ければ高いほど虫歯の予防効果が大きく、WHOのガイドラインによるとフッ素が500ppm上がるごとに虫歯の予防効果が6%上がると言われています。
アメリカと日本で共通しているところでこのフッ素の濃度が1500ppmまでというのがいわゆるどこの薬局でも購入できるフッ素の濃度の限界点で、それよりも上に超えてくるものは日本では残念ながら取り扱いがなく、アメリカでは1500ppmを超えてくる濃度のものについては歯科医師が処方するというルール(5000ppmまで!)になっています
では具体的に紹介をしていきたいと思いますが、まずアメリカ編、3つの歯磨き粉をおすすめしたいと思います。
「アメリカの歯磨き粉なんて聞いても買えやしない」と思う方もいらっしゃるかと思いますがこの3つは実は日本でも取り扱いがあるものです。
具体的にはインターネットや、歯科医師が個人で輸入していてその歯科医院で購入できるといったものです。
1:3D Whitestrips (Crest)
これはフッ素の1つであるフッ化ナトリウムが1500ppm入っています。1500ppmが薬局で購入できるMAXの濃度で虫歯予防には効果的です。そして、
過酸化水素という成分が入っており、歯の漂白作用を持っているのがCrestのいいところです。しかし、基本的に全ての歯磨き粉のホワイトニング作用の効果は限定的ということを覚えておいてください。
2:Total Whitening (Colgate)
フッ素の1つであるフッ化第1スズという成分が入っていて、これは虫歯の予防だけではなく知覚過敏(歯がしみること)の抑制にもかなり効果的です。
もともとフッ素自体が知覚過敏の抑制に効果的なんですがその中でもこのフッ化スズというグループはさらに知覚過敏の抑制に効果的というのが科学的にも示されています。(Martins 2020)この歯磨き粉はその成分が1450ppm入っています。
そして、ピロリン酸(科学的に歯の表面のステインを除去してあげて少し歯を白くするという作用)という成分と、トリクロサン(歯肉炎の抑制に効果的)という成分が入っています。ウェブサイトで購入できるサイトがありましたのでColgateの名前を入れてぜひインターネットで調べてみてください!
3: Clinpro5000 (3M)
これは5000と書いてあるようにフッ化ナトリウムが5000ppmも入っています。5000ppmというのはアメリカのフッ素の濃度でも1番MAXの濃度です。歯科医師が処方し、処方箋がないと購入できない歯磨き粉の種類でして、さらにリン酸三Ca(TCP)という成分が入っています。
これまでの虫歯のメカニズムのところでお話しさせていただきましたが、歯というのは絶えず脱灰と再石灰化を繰り返してバランスを取っています。その中でこのTCPが入っていることでミネラル分を歯にリチャージしてあげることで再石灰化を促してくれます。高濃度フッ素と再石灰化の促進の作用が入っていて虫歯の予防にかなり効果的という歯磨き粉です。主には虫歯に対してハイリスクの患者に処方されるものです。日本でも歯科医院では個人輸入がインターネットから可能になっているので歯科医院によっては取り扱いがあるところもあります。皆さんが行かれている歯科医院などに問い合わせをしてみてよろしければぜひ購入して使ってみてください。
この3つどれもやはり輸入をしているので日本の歯磨き粉に比べて費用的には少し高いという難点があります。
次回紹介する日本の歯磨き粉の方も効果としてはあまり差はない(Climproを除く)ので、費用的に気になる方はその辺を使っていただければいいかと思います。
アメリカのグッズの中でリステリン、有名なうがい薬ですが科学的に証明されているうがい薬の中でかなり信憑性の高いいろいろな効果が期待できるうがい薬です。
その中でもトータルケア(紫色)についてはアメリカのものはフッ化ナトリウムが450ppm入っています。これはうがい薬に含まれるフッ素の濃度のほぼ最大値で、これが入っていることによって
元々のリステリンのプラーク、虫歯、歯肉炎の抑制効果に加えて虫歯をさらに抑制できるのでかなりオススメです。こちらもインターネットで調べると購入できるサイトがありましたのでぜひ皆さんも調べてみて購入を検討されるといいかと思います。
次回は日本のものを紹介します!