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歯ブラシの方法について その2

前回は歯の磨き方にはバス変法やスクラビング法で磨くことをおすすめしました。

しかし、いざ磨き方を教わっても、細かい疑問が生じてくるかと思います。よく聞かれる質問としてはどの歯ブラシのタイプがいいの?(ヘッドの大きさ、毛先の硬さ)いつ交換すべき?どれくらいの圧力がいいの?電動の方がいいの?どの場所が磨く際に注意が必要?などがあります。研究論文に基づいて以下にお答えします。

歯ブラシのヘッドの大きさやデザイン(ブランドにより様々な大きさがあります):手用の歯ブラシではヘッドの大きさ(ノーマル、スモール)でプラークの除去効率には差がなかった。(Schmickler 2014)歯ブラシのヘッドのデザインや大きさには差がなかったが、毛先のデザインには差があり。(Voelker 2013)

ーどのヘッドデザインのものを使っても大丈夫ですが、お口や舌の大きさ、頬の張り具合で決めてみましょう。

毛先の硬さ(ハード、ミディアム、ソフトなど):RobertsonとWade(1972)は、中型と硬質のブラシを使用した場合、軟毛のブラシを使用した場合よりも有意に清掃効果が高いことを示した。ZInmmer (2011) はハードの毛先は8週間の時点でソフトやミディアムに比べて有意な除去効率を認めたが、同時に歯肉退縮(歯ぐきが下がること)などの歯肉の問題が多かった。

ー総じて、健康な歯肉であれば、ミディアムが良いかと考えられます。

歯ブラシはいつ交換すべき?:アメリカ歯科学会では3-4ヶ月の交換時期を推奨しているが、Van Leeuwenは、歯ブラシの使用された時間には関わらず、摩耗の激しい歯ブラシは、摩耗の軽い/ない歯ブラシに比べ、プラーク除去効果が低いことがわかった。したがって、歯ブラシの交換時期の指標としては、一般的に使用されている歯ブラシの使用期間よりも、毛先の広がりの方がより適切である。(Van Leeuwen 2017)

ー個人個人で歯ブラシの使用頻度や歯ブラシ圧が違うので、毛先が広がってしまったら交換しましょう。添付写真参照

どれくらいの歯ブラシの圧力がいいの?:プラーク除去効率は407.4gまでの歯ブラシ圧までは、圧力の増大が関連していることが示された。この点を超えると、より高い力を加えることで除去効率が減少した。(Weijden 2005)過去の研究では歯ブラシ圧は230gから320gまでが報告された。(Hayasaki 2014)しかし、歯肉退縮を予防するためには300gを超えるべきではないとされている 。(Ganss 2009)

ー総じて250g程度が良いのではないでしょうか。目安としては、歯ブラシの毛先を指に当てて、白く皮膚の血流が軽く圧迫されるくらいが適切かと思われます。

どの場所が磨く際に注意が必要?:プラークが溜まる3大好発部位としては、歯間部、歯肉溝、小窩裂溝(咬む面の歯の凹みや溝)が挙げられる。(Claydon 2008)

プラークがどこに溜まりやすいかの実験では、大臼歯と小臼歯の歯間部が1位、前歯部の歯間部が2位、臼歯部および小臼歯部の頬側面が3位となっていた。(Claydon 1993)また磨く時間は頬側に比べて全体の時間の10%しか舌側に費やされていない傾向があった。このことから舌側を注意して磨いた方が良いと考えられる。(MacGregor 1979)

しかし頬側から最初に磨き始めても、舌側から始めても、歯ブラシだけではプラークの除去効率には差がなく、55ー58%しか磨けていないとされています。(Sluijs 2018)

ー磨く順番は関係ないですが、歯ブラシだけでは歯間部の清掃は困難(40%も磨き残しが!)なので歯間清掃具(歯間ブラシ、フロス、ウォーターピック)を使いましょう。その際には舌側のブラッシングもしっかり。

電動歯ブラシの方がいいの?:科学的根拠が一番高いとされるシステマティックレビュー(過去の質の高い臨床研究を統合解析する研究)では、手用の歯ブラシに比べて、電動ブラシ、特に回転式(Oral-Bなど)のものはプラーク除去効率が11%優っているとされています。(Heanue 2003)

ー正しい歯ブラシの当て方に慣れてきたら電動歯ブラシに変えてみましょう。

以上が科学的根拠に基づいた歯ブラシの詳しい方法についてです。皆様是非参考にしてみてください!

Van Leeuwen et al. 2017: 歯ブラシの毛先の広がり具合を参考に歯ブラシを交換しましょう。(Score 3 か 4 くらい)

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